お互い好きだけどつきあっても何も変わらないしお互い相手からしてもらいたいことなんてたぶんない、つきあうってなんなんだろうね、と友達が笑うそばからテレビの中で、お笑い芸人が奥さんに知られているとも気づかず仕掛け人の女の子に騙されてふたりきりでカラオケに行きお酒を飲み体を触ってニヤニヤしていた。男ってバカだねー、と友達は笑いなおした。
それなりに勉強をする大学で妙な学部に入って過ごしていたせいなのか、男友達がなんだかむちゃくちゃに純情でこういう世間一般の男性の感じがいまだによくわからない。そもそも男友達がいること自体どうなんだ、男に恋愛対象として見られないことが普通っていうのは世の女性たちとしては異常な感じなんだろうか、異性でもあたりまえに親友と思っているやつが私にはいっぱいいるけどそれもどうなんだ、相手が私のことをどう捉えているのか確認したことあったっけ。
自分自身が誰の恋愛対象にもなりゃしないことは恋愛をするうえで全然問題なく、数々の男性諸氏に勝手に片想いしては飽きたり玉砕したりを繰り返して、何をやっているんだろうなと自分で思う。男の人が好きなんだからしかたない。男の人は体がうすべったいし喉仏が出ているし手が大きいし骨が太いし声が低いしホルモンバランスに左右されて心身が乱れたりしないのでいいと思う。
私がみているのは幻想の男の人で、たぶんロックバンドの曲の歌詞や若者むけの小説とかの中のなにかなんだと思う。好きな女の子のことを考えまくって悶々としたり相手のささいな言動からいろんなことを読み取ったりなんて実際の男の人はめったにしないだろうよ、一途にひとりの女の子を思い続けるとか一緒にいられれば何もいらないとかそんなの、本当の恋愛だとかつきあうとかは、なんかもっと気持ち悪いし動物っぽいしぐちゃぐちゃだよなーとか思う。性欲だセックスだなんだっていう部分がとくにニガテだ、肉体なんて恋愛中はなくなりゃいいのにな。男の人は好きだけど、きれいな姿をみていたいけど、でもつきあうとかそういう話になったら最終的にはセックスしなくちゃならんのではないの。やだなあ。それならみているだけでいいや触れないままでいいや、現実の男の人たちが怖い、でスピッツを聴く。
妹が、おねえちゃんは普通の男の人の、欲、とか、そういうのにこれからぶち当たるから気をつけたほうがいいよと言ってる。自分でもそう思う。恋がしたくない。ずっと眺めていたい、立ち入りたくない、このままではいかんのだけど、どう打開したもんかな、困るわ。